ip電話と通話品質を向上させる7つ方法を解説!

総務省の発表によると、ip電話の加入契約数は2014年以降、固定電話を上回る勢いで増加しています。[注1]
利用数が増加傾向にあるものの、音質を比較するとip電話より固定電話の方が安定性に優れていると感じるかもしれません。

通話品質に差が出る理由は、ip電話と固定電話の通話方法の違いにあります。今回は、それぞれの通話方法について解説したうえで、ip電話の通話品質を向上する方法を7つ確認していきます。

[注1]総務省:第2部 基本データと政策動向

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ip電話とはインターネット回線を利用した通話方法

利用環境を見直すことでip電話の通話品質は向上する

ip電話とは、「インターネット・プロトコル電話」の略称で、インターネット回線を利用した通信方法です。

インターネット回線を利用しているため、通話中は電話の音声だけでなくメールやファイルなど、ほかのデータも回線上を流れているのが特徴です。

通話の際は音声を一度データ化し、細分化した上でインターネット上を流れていきます。

細分化されたデータは受手側に到着する前に正しい内容に並べ替えられ、音声として相手に届きます。

連続して聞こえる音声も元々は細分化されたものであり、音声の復元に時間がかかると「通話の途切れ」となって受け手側に伝わります。

上記のように、ip電話はネット回線を利用した通信のため、利用環境によっては音質の途切れや悪さを感じやすいと言えます。

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ip電話には3つのタイプがある

ip電話と一括りで言っても、音質基準や電話番号の有無で「0AB-J型」「050型」「電話番号不要型」の3つのタイプに分けられます。

「0AB-J型」は、市外局番のように、「0」から始まる10桁の電話番号が割り当てられ、アナログ電話同等の音質が求められます。3タイプのip電話を比較すると、最も高音質の通話が実現出来ます。

次に「050型」は、「050」から始まる11桁の電話番号が割り当てられ、携帯電話でも利用出来ます。「0AB-J型」ほど音質への規制が厳しくないため、利用環境によっては音声の途切れなどを感じやすいでしょう。

最後に「電話番号不要型」は、LINEやスカイプに代表されるように、電話番号を持たなくても通話が出来るものです。アプリなどを使って無料で通話出来る点が魅力ですが、VoIPという技術を使った通信方法のため、音質はネット環境に依存しやすいと言えます。

アナログ電話は専用回線を利用した通話方法

従来型のアナログ電話は「回線交換方式」を使い通話の始めから終わりまで、同一の回線を利用した通話方法です。回線内を流れるデータは電話の音声のみとなり通話の際は1対1となるため、音声の中断や途切れが少ないことが特徴です。

ただし、通話の際は各基地局を経由するため、受け手との距離が離れれば離れるほど音質は低下し通話料金は値上がりします。回線交換方式を使っているため、災害時・緊急時も安定して接続出来点が魅力ではありますが、昨今利用者数が減少しており、2024年以降は固定電話をip網に切り替える動きも見られます。

また、回線工事や電話加入権の購入が必要なため、導入時や利用時のコストが大きいことも特徴です。

ip電話は利用コストを抑えられる点が魅力

ip電話はインターネット回線を利用することから、導入コストや通話料の安さが魅力です。固定電話のように電話の受け手との距離が離れていても、通話料金が上がる心配もありません。

通話料も固定回線と比較すると低価格であり、同一プロバイダー同士では無料の場合も多いです。

ですが、固定電話と比較し通話品質が安定していない点がデメリットと言えます。通話品質については、ip電話の利用環境や契約を見直すことで向上が期待できます。

ip電話の音質低下は利用環境が原因

ip電話はインターネット回線を利用するため、ネット回線の処理速度や混雑状況に音質が依存します。ip電話は利用環境を見直すことで、音声品質の向上に繋がる場合が多いです。

また、ネット環境を見直しても音質が向上しない場合は、IP電話の契約自体を見直すことで、高品質・低価格の音声通話が期待できます。

利用環境を見直すことでip電話の通話品質は向上する

では、ip電話の通話品質を向上させるための具体的な方法をご紹介します。

高速ネット回線を利用する

ip電話はインターネット回線を利用し、音声データを一度分割してから再構築するため、インターネットの処理速度に音質が依存します。

高速のネット回線なら、データの再構築も短時間で終わるため、スムーズな音声通話が可能です。低速度のネット回線では、音声データの再構築に時間がかかってしまい、音声の途切れなどを感じやすいでしょう。

ip電話の音質が悪いと感じたら、ネット回線を見直すのも解決方法の1つです。

通話中はネット回線が混雑する作業をしない

通話中にメールの送受信や動画の視聴など、大容量のデータのやり取りをしていると、ネット回線に負担がかかり音質の低下に繋がります。

ip電話で通話をしているときは、大容量のデータをストリーミングしない、作業をするなら回線に負担のかからない程度にとどめることで音声品質を保てます。

回線混雑時の利用を避ける

動画の閲覧やSNSの利用など、インターネットを利用している人が多い時間帯は回線が混雑するため、ip電話の音質が低下しやすいです。

とくに、インターネット利用者の多い22~25時までの間は音質が低下しやすい傾向にあります。ip電話利用の際は上記混雑時を避けることで、音質の低下を防げます。

無線LANアクセスポイントに障害物を置かない

無線LANを利用してip電話を使っている場合は、アクセスポイントと距離があったり間に電波を発する機器があったりすると、音声が途切れるなどの障害が発生しやすいです。

ip電話はアクセスポイントの近くで利用する、また、距離がある場合は途中に障害物を置かないことで通話品質の向上に繋がります。

無線LANアクセスポイントを固定する

複数のアクセスポイントを利用している場合はアクセスポイントが変わる度、音声が途切れてしまいます。
そのため、ip電話を利用するアクセスポイントを固定することで通話中の途切れを防止できます。

無線LANアクセスポイントを利用する端末数の制限をする

1台のアクセスポイントに対して複数台の端末を接続している場合、アクセスポイントに負荷がかかり、通話が途切れる場合があります。
ip電話を利用する際は端末台数を減らすなどアクセスポイントへの負荷を減らすことも、通話品質の向上に繋がります。

高音質のip電話を利用する

最後に、上記の対策をしてもip電話の通話品質が上がらない場合は、ip電話の契約を見直す方法もあります。
ip電話の通話品質は総務省の「通話品質基準」で3段階にクラス分けされており、それぞれクラスAは固定電話と同等、クラスBは携帯電話と同程度、クラスCはIP電話程度の音質を確保する必要があります。[注2]

ip電話には「0AB-J型」「050型」「電話番号不要型」の3種類があり、この中でも、「0AB-J型」はクラスAの音質を確保しなければなりません。ネット環境を見直してもip電話の通話品質が向上しない場合には、契約を見直すこともおすすめです。

ip電話と通話品質を向上させる7つ方法まとめ

固定電話と比較して導入・利用コストのかからないip電話は、今後ますます契約者数の増加が見込まれます。導入が容易な反面、高品質の通話が出来るかが心配でもあるでしょう。
ip電話はネット回線を利用した通話方法のため、ネット環境を見直すことで通話品質の向上が見込めます。ネット環境を見直しても音質が改善しない場合は、ip電話の契約を見直し高音質の業者を選ぶことも対策の1つです。
ip電話を利用中に途切れや音質の悪さを感じたら、ぜひ今回ご紹介した方法を確認してみてください。

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