【法人様向け】インターネット回線の選び方を解説!回線の種類
目次
法人向けと個人向けのインターネット回線は何が違う?
法人向けインターネット回線をご検討される上で、個人向けではだめなの?何が違うの?と思う方も多いのではないでしょうか。
主な違いについて紹介します。法人向けインターネット回線では下記4点でメリットがあります。
2. VPN接続でセキュアなアクセス環境の構築が可能になる
3. 専用回線の導入が可能になる
4. 充実したサポート体制
メリット①:「固定IPアドレス」が利用できる
固定IPアドレスはオプションサービス!提供していないプロバイダも!
アドレス取得のサービス体系は、動的IPアドレスと固定IPアドレスがあります。
動的IPアドレスは、特に設定を変更しなければインターネット接続時、自動的にIPアドレスを割り当て利用する基本的なサービスです。一方、固定IPアドレスは、常に特定の変わることのないIPアドレスを確保する必要があるため基本的にオプションサービスとなります。
多くの法人向けサービスは、このオプションに対応していますが、プロバイダによっては、固定IPアドレスの払い出しに対応していないことも珍しくなく、特に個人向けサービスにはオプションが存在しない場合が多くございます。
固定IPアドレスを取得するメリット3選
プロバイダから固定IPアドレスを取得することによって、企業ができるメリットをご紹介します。
【その1】テレワーク時のリモートアクセスを可能に!
接続先のIPアドレスが固定の場合、テレワーク中や社外からでも社内のファイルサーバーやリモートデスクトップ機能利用などのアクセスが可能です。仮に、社内のファイルサーバーが固定IPアドレスでなかった場合、都度IPアドレスが変わるためアクセスできず、出社して確認する必要があります。
【その2】Webサービス利用におけるセキュリティ面の不安を軽減できる!
固定IPアドレスを用い、特定のIPアドレス以外からのアクセス制限などを設けることで、不特定多数のインターネット機器の接続を遮断できるため、セキュリティ面での不安を軽減可能です。
例として、楽天銀行ではインターネットバンキングを利用するIPアドレスを指定し、他のIPアドレスからは利用できなくさせるサービスがあります。
IPアドレスによるアクセス制限への対応はサービス提供者次第ですが、利用することでセキュリティ対策の一つとなるでしょう。
【その3】自社のWebサイトを運営できる!
インターネット上のサービスを利用するだけではなく、自社でサーバーを設置して外部にサービスを提供することもあるかと思います。
例えば、自社でWebサイトを運用される場合、データの保存や送受信を担うサーバーに、動的IPアドレスを当ててしまうと時間経過でIPアドレスが変わり、変更を知らない外部からWebサイトへ接続ができなくなるため固定IPアドレスが必要となります。
メリット②:VPN接続でセキュアなアクセス環境の構築が可能になる
固定IPアドレスを用いることで、セキュアなリモートアクセスや拠点間接続環境を構築することができます。
VPN接続とは、距離の離れた固定IPアドレス同士をつなぎ合わせることでインターネット上に仮想の専用回線「トンネル」を構築するものです。外部(第三者)から情報の秘匿や改ざん検知、防御ができ、安全な通信を行うことが可能です。
メリット③:専用回線の導入が可能になる
一般的な個人向けのインターネット回線は、光ファイバーを分岐して複数ユーザーで使用する「共有型」という回線方式を主に使用しています。共有型では、複数ユーザーで1本の回線を共有利用するため、他のユーザーの影響を受けやすくアクセス集中時には速度低下が見込まれます。
その点、法人向けインターネット回線には、他のユーザーによる影響を受けない自社専用の回線「専有型」という回線方式があります。他のユーザーの利用トラフィックの影響を受けにくく、時間帯関係なく安定した通信の利用が可能です。
近年、Web会議やアプリケーションの利用などから、リアルタイムでのやり取りやデータ・トラフィック量の増加が考えられ、自社に合わせた回線を選択することが重要です。
メリット④:充実したサポート体制
個人向けインターネット回線をご契約の場合、サポートが一般窓口と同じになるため対応まで時間を要する可能性があります。
そのため、インターネット回線の不具合やトラブル時に、迅速な対応が可能な問い合わせ窓口の設置やサポート体制が充実している法人回線を利用することで、万が一の時にも心強く安心です。
法人向けインターネット回線の選び方は?
回線速度、提供タイプについて
業務内容によって、自社に最適な回線速度や提供タイプを選択することで業務効率に繋がります。
たいていの回線プランでは、通信速度を下り最大1Gbpsと記載し提供しているものが多く、そのほとんどが「ベストエフォート回線方式」です。ベストエフォート方式は、あくまで理論的に可能な最大速度であり、実際の通信スピードを保証するものではありません。そのため、共有する他のユーザーの利用状況に通信速度が左右されてしまい、通信速度の低下や切断の可能性があり得ますが、低コストで導入できることが特徴です。
下記項目に該当する企業様は、業務帯域保証サービスや専有型の回線の検討がおすすめ
■テレワークを推進している
■ECサイトなどで商品やサービスを販売している etc…
データの送受信やWeb会議、サイト販売などを行う上で通信速度が速いだけでなく、一定の速度が保てるかも重要なポイントとなります。
安定したインターネット接続のために、回線混雑時であっても帯域を確保し、最低限の速度を保証する「帯域保証」のサービスや他のユーザーの影響を受けない自社専用の回線が提供されています。
しかし、通信の安定化がはかれる一方でコストが高くなる傾向にあります。
提供エリアについて
インターネット回線には様々な回線業者があり、それぞれ提供エリアが異なります。エリアに対応していなければサービスを利用できないため、検討する回線に自社のある地域が対応しているか確認する必要があります。
サポート体制
回線トラブルの度合いによっては、業務に支障をきたす場合や企業全体で大きな損失が出る可能性も考えられます。万が一の場合に備え、対応可能時間やサポート内容を事前に確認し、自社の環境に合った回線業者を選ぶことが重要です。
失敗しないために必要なポイントは?
「現在の利用用途」と「将来考えられる利用用途」を洗い出し、適切な回線を選ぶことが重要です。
クラウドグループウェア、クラウドサーバ、拠点間ネットワーク、リモートワーク対応など、用途を洗い出しインターネット回線をご検討下さい。
以降に、トレンド情報を掲載致します。
次世代インターネット接続”IPoE回線“
従来のPPPoE回線に比べ大容量で、通信が混雑することなく快適で安定した接続環境でご利用頂けます。デメリットは、IPoE回線に対応したルータが必要になり、既存のルーターを利用できない場合があります。
大容量で遅延の少ない「IPoE回線」がオススメ
クラウドサービスを快適にご利用頂くために
近年Microsoft365などクラウドを導入した企業様で、「通信が遅くなった」「アクセスエラーが増えた」といった問題がよく聞かれるようになりました。
これは、1ユーザー当たりのクラウドサービスやWebへの複数アクセスが増加し、ルータの「セッション数」が枯渇するため、遅延が発生しているケースが多く見受けられます。
解決策:「セッション数」の多いルータを選択する
最大転送性能 | VPN性能 | 最大セッション数 | |
---|---|---|---|
NEC IX2016 | 2.0Gbps | 1.2Gbps | 250,000 |
YAMAHA RTX830 | 2.0Gbps | 1.2Gbps | 65,534 |
NEC製のルータと同等他社製品と比較した際、約4倍セッション数が多いことが表からもご確認頂くことができます。クラウド利用する際、ルータの転送性能だけでなく、セッション数にも着目して選ばれることをオススメ致します。
センター集中による負荷がボトルネックに
インターネットの出入り口を本社やデータセンター経由に集約することにより、セキュリティやマネジメント性が向上しコスト削減も可能で、拠点を持つ企業でよくご提案させて頂く構成です。
ここでもルータの「セッション数」と「回線帯域」がボトルネックになることがあります。
解決策:「ローカルブレイクアウト」の活用
ローカルブレイクアウトとは?
クラウドサービスなど特定の通信を拠点のインターネット回線から直接通信(オフロード)させる機能です。
この機能を活用することで、集中していた箇所負担を大幅に軽減することが可能となります。
リモートアクセスVPNで 働き方・リモートワーク対応数
ノートパソコンやタブレットからセキュア(暗号化)に社内LANへアクセスすることが可能です。
複数のユーザーが外出先や自宅から同時にアクセスすることも可能です。
セキュアに「社内LAN」へアクセス
リモートアクセスVPN(L2TP/IPsec)機能で、通信を暗号化し、社内LANへのアクセスが可能です。
拠点間VPNサービスについて
VPNには、キャリアが提供するIP-VPN、ISP事業者が提供するインターネットVPNとルータの機能で構築するインターネットVPNの3種類があります。
VPNの種類一覧
キャリアとISP事業者のVPN
ルータ機能を活用したVPN