介護現場のICT化とは? メリット・導入例・選び方を分かりやすく解説

介護現場のICT化とは? メリット・導入例・選び方を分かりやすく解説
介護現場における人手不足の解消や業務の効率を上げるためには、ICT化が重要です。介護施設の規模や課題に合ったシステムを導入して、スタッフの負担軽減や介護サービスの向上を目指しましょう。

【この記事で分かること】

  • 介護ICT化の概要
  • なぜ今、介護現場にICT化が必要とされているのか
  • ICT化による具体的なメリットと直面しやすい課題

介護ICT化とは?

ここでは、ICT化の定義や背景、国の政策などを確認しておきましょう。

ICT化の概要と背景

ICT(Information and Communication Technology)とは、情報通信技術のことです。情報を共有・伝達する技術全般を指し、テレワークやオンライン会議のシステム、AIやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の技術などを幅広く含みます。

介護現場におけるICT化とは、単にパソコンやインターネットを導入するだけではありません。見守りセンサーや電子記録システム、コミュニケーションツールなどを駆使して、情報の共有や伝達をスムーズに行うことを指します。

介護現場でICT化が注目されている背景には、急速に進む少子高齢化があります。高齢者が増える一方で、介護を担う現役世代は減少しているためです。限られた人員で質の高いケアを提供するためには、さまざまな技術を活用して業務の効率化を図ることが欠かせません。

国の政策と介護DXの位置づけ

少子高齢化による介護サービスの需要増大を見込み、厚生労働省もICT化や介護DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に取り組んでいます(※)。

DXとは、単にAIやICTといったデジタル技術を導入することではありません。さまざまなデジタル技術を活用しながら、業務フローの改善や新たなビジネスモデルを創出することを意味します。

介護現場においても、単にICTを導入するだけではなく、「導入した技術を使ってどのように働き方を改革していくのか」という点まで考えることが重要です。こうした視点を持つことで、業務効率化やケアの質の向上が期待できるでしょう。

※参考:厚生労働省.「介護DXの推進」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/DX_suishin.html ,(参照2025-12-18).

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介護ICT化が求められる理由

介護現場におけるICT化が求められる理由として、人材不足の深刻化や業務効率化の必要性などが挙げられます。以下、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

人材不足の深刻化

少子高齢化による人材不足の深刻化は、介護現場が抱える大きな課題です。総務省の統計によると、日本の総人口が減少している一方で、2024年時点の65歳以上の人口は3,625万人となり、過去最多を記録しました。65歳以上の高齢者が総人口に占める割合も、29.3%と過去最高の数値です。

さらにこの割合は今後も上昇を続け、2040年には34.8%、2045年には36.3%になると見込まれています(※)。少ない人数で多くの高齢者を介護する必要がある未来に備え、ICT化による負担軽減やケアの質の向上が求められています。

※参考:総務省.「統計からみた我が国の高齢者」.https://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topics142.pdf ,(2024-09-15).

業務効率化の必要性

人材不足に対応するためには、ICT化を活用した業務効率化が必要です。介護現場では、高齢者の生活サポートだけではなく、勤務シフトの作成や会議での情報共有など、さまざまな業務があります。

このような業務を、全てアナログな方法で行っていると手間がかかるため、労働時間や精神的な負担が増えがちです。残業時間の削減やスタッフのストレス軽減のためにも、さまざまなデジタルシステムを活用して業務効率化を進めることが重要です。

記録の標準化・情報共有の強化

記録の標準化や情報共有の強化を図る上でも、ICT化を進める必要があります。例えば、介護記録をスタッフが手書きで作成すると、字の癖で正しく読み取れない、記載項目にばらつきがあり管理しにくい、といった問題が発生するケースもあるでしょう。

一方で、ICT化によって入力項目や記載内容を標準化すれば、誰が読んでも理解できる正確な記録を残せます。また、医師や看護師、ケアマネジャーといった他の職種との情報共有もスムーズに進みます。

介護ICT化の主な導入例

介護現場のICT化を進めるためのシステムや技術としては、介護記録ソフトや見守りセンサーなどが挙げられます。ここでは、介護ICT化に役立つシステムの例を見ていきましょう。

介護記録ソフト

介護記録ソフトを活用すれば、高齢者の体調の変化を簡単に記録し、スタッフ間で共有できます。スマートフォンやタブレットから記録できるシステムもあり、記入の手間もかかりません。うまく活用すれば、記録や情報共有の負担を減らせるでしょう。

見守りセンサー・IoTデバイス

見守りセンサーやIoTデバイスは、高齢者の状況を離れた場所から確認できるシステムです。高齢者の起き上がりや離床、睡眠状態をリアルタイムで検知できるため、スタッフによる見回りの負担を軽減できます。

ナースコール・インカムなどのコミュニケーションツール

ナースコールやインカムなどのツールを活用すれば、高齢者との会話やスタッフ間の連絡を効率化できます。広い介護施設の場合でも素早く連絡を取り合えるため、業務効率化や高齢者の満足度向上につながるでしょう。

事務処理の効率化ツール

スタッフのシフト管理のデジタル化も重要です。手書きによる管理からシステムによる管理に移行すれば、や事務処理の負担軽減を実現できます。

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介護ICT化のメリット

介護ICT化の推進には、次のようなメリットがあります。

職員の負担軽減

介護スタッフの移動や書類作成の負担を軽減できることは、ICT化の大きなメリットです。例えば、先ほど紹介したようなインカムを導入すれば、施設内で相手を探し回るケースを減らせます。特に夜間など、少ない人数で広範囲をカバーする必要がある時間帯において効果を発揮するでしょう。

ケアの質向上

ICT化により事務的な業務を効率化すれば、高齢者とのコミュニケーションやレクリエーションの時間を増やせます。また、システムを活用して体調や睡眠に関するデータを分析すれば、高齢者の状況に合わせて適切なケアを提供できます。

情報共有のスムーズ化

介護記録ソフトや電子記録システムなどを活用すれば、高齢者に関する情報を簡単に共有できます。スタッフ全員で最新の情報を共有できるため、伝達漏れによるミスを防止できるでしょう。

介護ICT化のデメリット・課題

さまざまなメリットがあるICT化ですが、以下のようなデメリットや課題もあります。

導入コストがかかる

さまざまなシステムを導入してICT化を進めるためには、コストがかかります。初期費用だけではなく、月額費用やメンテナンスコストなどのランニング費用が発生するケースもあるため、予算オーバーにならないよう注意しましょう。

機器の操作習得に時間がかかる

新しいシステムを導入しても、スタッフがすぐに使いこなせるとは限りません。操作方法の習得に時間がかかるケースもあるため、余裕のある導入スケジュールを立てて進めましょう。

現場のITリテラシー格差

ベテランのスタッフから若手まで、デジタルシステムへの苦手意識には個人差があります。説明会を開催したり、マニュアルを整備したりするなど、「自分には使いこなせない」という心理的な拒否反応をどう解消するかが、導入を成功させる鍵です。

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介護ICTツールの選び方

介護現場でICTツールを導入するときは、以下の点に注目して選びましょう。

施設規模と用途に合っているか

便利そうなシステムであっても、施設の規模に合っていなければ意味がありません。大規模な施設の場合は多機能なシステム、小規模な施設の場合は特定の機能に特化したシステムなど、施設規模や用途を見極めた上で選びましょう。

現場の課題を解決できるか

導入するシステムを選ぶ際は、夜間の見回りを減らしたい、申し送り時間を短縮したいなど、具体的な課題を明確にしましょう。現場のスタッフから課題をヒアリングするなど、実際にシステムを使うスタッフの意見を取り入れることも重要です。

まとめ|介護ICT化は負担軽減とサービス向上の鍵

介護ICT化は、スタッフの負担軽減とサービス向上の鍵です。導入当初は戸惑いもあるかもしれませんが、現場の課題に合ったツールを正しく選び、段階的に進めていけば大きな成果につながるでしょう。

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